見た目は地味だけれど、素朴な味わいがほっとするお煮しめ。そんなお煮しめの中でも欠かせないのは筍ですよね。しゃきしゃきの歯触りとダシをたっぷり含んだ筍は、豪華なおせちの中でもほっと一息つかせてくれるようなやさしい存在です。

筍はとても成長が早く天に向かってまっすぐと伸びるので、子供のすくすくとしたまっすぐな成長を願ったり、パパの仕事での成長を願ったり、子孫繁栄を願ったりといった意味があります。にんじんやレンコン、サトイモや絹さや、鶏肉などと一緒に煮付ける筑前煮としておせちに登場することも多くて、たくさんの野菜と一緒に煮込むことで、家族が仲良く円満に暮らせるようにという意味もあるんですよ。

色は地味になりがちなお煮しめですが、それぞれの家庭の味が一番出るのはやっぱり煮しめですよね。まさに、久しぶりに実家に帰って食べるおふくろの味ですので、一番力を入れたい料理ではないでしょうか。